堤耳鼻咽喉科医院は、先代の父が開業してから55年以上の歴史があるクリニックです。2013年に父から受け継ぎ、現在の院長である私は2代目。「医者になれ」と直接言われたわけではありませんでしたが、医師になろうと思ったのは父がいたからだと思います。しかし、2013年に医院を継ぐことになった時はとても急でした。というのも、父は、亡くなるその日まで診療していまして、診察が終わった後、「明日は休みでうれしいな、ひとっ風呂浴びてくる」という言葉を最後に…。父は常々「うちのクリニックは地域密着型で、地域に貢献するんだ。俺がダメになったらすぐに継いでくれ」と言っていました。父が他界したのは4月で、前職(大学)の新年度が始まったばかりでスケジュールが決まっていたのですが、周りの方に多大なご迷惑をお掛けしながらこの医院を継ぐことにしました。当時の関係者には、今でも本当に感謝しています。父は、とても優しい仏様のような人で、診療中に怒っているところは一度も見たことがなく、説明の仕方も全てが丁寧で優しかったです。ですから、私も父の想いを引き継ぎ、地域の皆さんに気軽に来ていただける医院であることを大切にしてきたいと思っています。